
症例報告
【症例報告】他院で「姿勢のせい」と言われた20年来の頭痛が、予防薬の内服でゼロになった50代男性のケース 20代の頃から長年頭痛に悩まされ、他院を受診しても改善しなかった患者さんが、当院での適切な診断と予防療法により、頭痛のない生活を取り戻された事例をご紹介します。
1. 患者様の背景と初診時の状況
- 年齢・性別:50代 男性
- 頭痛の歴史:20代頃から約30年間
- 初診時の症状:
- 週に1〜2回、主に朝の起床時や午後に頭痛が発生(半日ほど持続)。
- 「ズキンズキン」と血管が脈打つような激しい痛み(痛み度:10/10)。
- 強い吐き気を伴い、痛むと横にならざるを得ない状態。
- 夜勤明けの睡眠後や、仕事に集中している時によく起こり、業務に大きな支障が出ていた。
- 市販の「ロキソニンS」を飲むものの、たまにしか効かない。
- 母親も頭痛持ちである。
- 過去の治療歴:
1年前、某脳神経外科を受診。CT検査で異常はなく「姿勢が悪いせい」と言われ、筋肉の緊張を和らげる薬を処方されたが効果はなかった。
2. 当院での診断:前兆のない片頭痛
詳しくお話を伺ったところ、肩こりなどの症状はあるものの、痛みの性質(拍動性)、吐き気、日常生活への支障度から、当院では「前兆のない片頭痛」と診断いたしました。
初診時の日常生活支障度(HIT-6スコア)は「59点」(※56点以上は『重度の支障あり』)と、非常に強い生活制限がかかっている状態でした。患者様より「頭痛の予防ができるならぜひやってみたい」と強いご希望をいただき、片頭痛の「予防薬治療」を開始しました。
3. 治療経過と日常生活支障度(HIT-6)の推移
患者様の状態に合わせ、予防薬を適切な量まで段階的に増量し、維持する治療を行いました。経過とともに、生活の質(スコア)は劇的に改善していきました。
- 治療開始前(初診時):59点(重度の支障)
- 半年後:48点(明らかな改善傾向)
- 1年後:42点(支障がほとんどないレベルへ)
- 治療終了時:40点(頭痛のない状態を達成)
適切な薬の量を見極めた後、8ヶ月間その量を維持。その後、頭痛が全く起きない状態が安定したため、徐々に薬を減量し、最終的に予防薬の内服を中止(治療終了)とすることができました。
4. 専門医からのコメント
今回のケースでは、長年の頭痛が「姿勢のせい(緊張型頭痛)」と誤認され、適切な治療(片頭痛へのアプローチ)が行われていなかったことが長引く原因でした。片頭痛は「肩こり」を伴うことも多いため、専門医でないと見分けるのが難しい場合があります。 [1]
また、夜勤などの不規則な睡眠サイクルや、仕事中の緊張から解放されたタイミング(週末など)は、片頭痛が特に起きやすい条件です。
片頭痛は「痛くなってから薬を飲む(急性期治療)」だけでなく、「痛みを起こさせない(予防療法)」を適切に行うことで、今回のように薬を卒業し、頭痛のない快適な生活を取り戻すことが十分に可能です。「体質だから」「市販薬が効かないから」と諦めず、ぜひ当院へご相談ください。










