30歳台男性、半年前から左目の奥が痛く受診。
元々前兆のある片頭痛、前兆のない片頭痛も持っています。
痛みはアルコールで悪化します。痛みが酷くなると左目の腫れもでてきます。痛みはほぼ1日中持続します。TACsの持続性片側頭痛です。
目の奥の痛みは軽度から中等度以上。症状が酷くなると目の腫れ以外に流涙、鼻水、鼻詰まりもでるそうです。インダシン反応性頭痛なのでインダシンを処方します。私は初めて持続性片側頭痛に遭遇しました。
診断の基準は頭の片側に激しい痛みが生じ、痛む方の目の充血や流涙、鼻づまり・鼻水など症状がみられます。「持続性」と付いているように頭痛の持続時間が長く、1日中続く痛みが3ヶ月を超えてあります。
光をまぶしく感じる「光過敏」や、音を不快に感じる「音過敏」など片頭痛でみられる症状が、持続性片側頭痛でもみられることがあります。
群発頭痛と発作性片側頭痛は症状など似ているところがありますが、治療法が大きく異なります。インドメタシンが100%有効です。
持続性片側頭痛について持続性片側頭痛(Hemicrania Continua)は、片側の頭部に持続的な痛みを特徴とする一次性頭痛の一種です。この頭痛は、三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)に分類され、特定の特徴を持ちます。1. 特徴持続的な片側性頭痛:頭痛は片側に限局し、反対側に移動しません。痛みは前頭部、側頭部、眼窩部、後頭部などに多く見られ、軽度から中等度の持続的な痛みが特徴です。 増悪発作:持続的な痛みに加え、時折激しい増悪が起こり、この際には日常生活に支障をきたすほどの強い痛みとなることがあります。 自律神経症状:頭痛と同じ側の目の充血、涙、鼻づまり、鼻水、発汗、目の腫れなどが伴うことがあります。 片頭痛様の随伴症状:光過敏や音過敏など、片頭痛で見られる症状が現れることもあります。 2. 診断と鑑別診断持続性片側頭痛の診断は、臨床症状とインドメタシンに対する反応性によって行われます。インドメタシンが完全に効果を示すことが特徴的です。 鑑別診断として、以下の疾患が考えられます:片側性の慢性片頭痛:持続的な片側性頭痛を呈しますが、インドメタシンに対する反応性が異なります。新規発症持続性連日性頭痛:突然発症し、毎日持続する頭痛ですが、自律神経症状は伴いません。頚原性頭痛:頚部の問題に起因する頭痛で、片側性の痛みを呈することがあります。三叉神経・自律神経性頭痛(群発頭痛、発作性片側頭痛など):発作性の強い痛みと自律神経症状を特徴としますが、持続時間や頻度が異なります。 3. 治療持続性片側頭痛の治療には、インドメタシンが極めて有効です。適切な投与により、症状の完全な寛解が期待できます。しかし、インドメタシンの長期使用は副作用のリスクがあるため、医師の指導の下で適切な管理が必要です。 まとめ持続性片側頭痛は、片側性の持続的な頭痛と自律神経症状を特徴とし、インドメタシンが効果的な治療法となります。正確な診断と適切な治療により、症状の管理が可能です。頭痛が持続する場合や特徴的な症状が見られる場合は、専門医への相談をお勧めします。