症例報告
比較的高齢(65歳)で発症した群発頭痛の一例
9月の終わりごろ、夜中に突然、左目の奥がズキズキと痛み出し、痛みで目が覚めました。翌日も同じような症状があり、眼科を受診しましたが、特に異常は指摘されませんでした。
その後も痛みは続き、10月6日に脳神経外科を受診しました。頭部のCT検査では異常はなく、薬の処方もありませんでした。
痛みは夜中に起こることが多く、仕事がハードだった日の夜に出ることが多いと感じていました。痛みのときには左目が充血して、まぶたが腫れぼったくなることがありました。鼻づまりはありませんでした。
痛みは3〜4時間ほど続き、目の奥からこめかみにかけて「ズキズキ」「キリキリ」とする強い痛みで、眠っていても痛みで目が覚めてしまいました。痛み止めを飲むと30分ほどで落ち着くことが多かったです。
これまでに頭痛の経験はほとんどなく、「ストレスがたまっていたせいかもしれない」とご本人も感じていました。昼間にも軽い痛みが出ることがありましたが、我慢できる程度でした。
診察の結果、睡眠中に発作的に起こる点や、痛みの部位・持続時間・症状から、群発頭痛と考えられました。予防薬を開始したところ、まぶたの症状や涙も改善し、頭痛はみられなくなりました。
その後、便秘や夜中に目が覚めるといった副作用が出たため、便秘には酸化マグネシウムを追加し、今後は群発期(通常1〜2か月程度)を目安に予防薬を減量していく予定です。
心電図などの検査では特に問題はありませんでした。
🔍補足
このように群発頭痛は、**「夜中に目の奥の激痛で目が覚める」**という特徴的な発作を起こします。発症は若年男性に多いとされますが、この症例のように比較的高齢で発症することもあります。痛みの強さのため、他の病気と区別が難しいこともありますが、適切な診断と治療により、発作の予防や軽減が期待できます。