症例報告

15年続いた毎日の頭痛と「薬の飲みすぎ悪循環」から脱出、支障度が大幅に改善して維持期間へ

 患者様の基本情報と初診時のご様子
  • 年齢・性別:30代女性
  • 頭痛の歴史:約15年前(10代後半)から頭痛が始まる。
  • 初診時の状態:ほぼ毎日頭痛があり、左右どちらかのこめかみや目が激しく痛み、吐き気を伴う状態でした。天気の変化、人混み、特定の匂いでも頭痛が誘発・悪化し、市販の鎮痛薬(イブ、ロキソニン)を週に4日ほど服用されていましたが、すでに効果が出なくなっていました。
  • 過去の治療:近医で「薬物使用過多頭痛」と診断され漢方薬を処方されたものの、飲みにくさから途中で中断されていました。 [1]
🩺 当院の診断
国際基準に基づき、以下の3つが合併した状態と診断しました。
  1. 前兆のない片頭痛(もともとの体質的な片頭痛)
  2. 慢性片頭痛(頭痛が慢性化し、ほぼ毎日ある状態)
  3. 薬物使用過多頭痛(MOH)(鎮痛薬の頻回な服用により、かえって頭痛が引き起こされている状態) [1, 2]

📈 段階的な治療経過と「日常生活支障度」の推移
初診時の日常生活支障度(HIT-6等の点数)は「63点」と非常に高く、重症の部類でした。鎮痛薬をただ減らすのは困難であるため、強力な予防治療を段階的に導入しました。 [1, 2]
1. 予防薬Aの開始:【支障度 63点 ➡️ 54点】
まずは急性期発作と薬物過多の悪循環を断ち切るため、「予防薬A」を開始しました。これにより、毎日のようにあった激しい頭痛のベースが下がり、支障度は54点へと減少しました。
2. 予防薬Bの追加と増量:【支障度 54点 ➡️ 50点 ➡️ 38点】
さらに頭痛のない日を増やし、生活の質を上げるため、「予防薬B」を併用し、様子を見ながら徐々に増量しました。効果は段階的に現れ、50点、そして最終的には「38点」まで劇的に軽減しました。 [1, 2]
3. 現在の状況(維持期間:4ヶ月目)
鎮痛薬に頼る頻度も劇的に減り、現在はもっとも状態が良い「38点」を4ヶ月間キープされています。人混みや匂いによる誘発もコントロールしやすくなり、日常生活を穏やかに過ごされています。 [1]

🔮 今後の治療計画(減量に向けて)
現在は治療の「維持期間」にあります。
この安定した状態をあと4ヶ月(合計8ヶ月間)維持できたことを確認した後、段階的に片頭痛予防薬を減量(テーパリング)していく計画です。ゴール(薬からの卒業や最小限化)を見据えた治療を行っています。

💡 専門医からのメッセージ
「毎日のように頭痛があり、市販薬も効かない」という状態は、根性論や我慢で解決するものではありません。薬の飲みすぎがかえって頭痛を重症化させているケース(薬物使用過多頭痛)では、専門的な予防治療によって頭痛の脳をリセットする必要があります。
今回のように、適切なステップを踏めば、15年来の頭痛でも日常生活の支障度をここまで下げることができます。「もう治らない」と諦める前に、ぜひ一度当院にご相談ください。 [1]

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