コラム

【症例報告】既存薬で改善が得られなかった群発頭痛に対するボトックス療法

 

  1. はじめに
    群発頭痛は「自殺頭痛」とも呼ばれるほど激しい痛みを伴う疾患です。多くの方は内服薬や自己注射でコントロールを行いますが、中には既存の治療では十分な効果が得られない「難治性」のケースも存在します。
    今回は、長年群発頭痛に苦しみ、当院にてボトックス療法を選択された患者様の事例をご紹介します。
  2. 患者様の背景(症例:50 男性)
    20代の頃から群発頭痛を発症されており、3年前には約半年間も群発期が続くという、非常に厳しい経験をされていました。
    これまで、以下の標準的な治療をすべて試されてきましたが、十分な効果を実感できていない状態でした。
  • 急性期治療: トリプタン製剤(内服)
  • 予防療法: ベラパミル、ミグシス、バルプロ酸、プレドニゾロン(ステロイド)など
  • 3. 治療の選択と実施
    患者様は「これまでの内服治療では改善がなかったため、より直接的なアプローチを試したい」と強く希望され、当院を受診されました。
    現在の日本における標準的治療についても改めて十分にご説明しましたが、これまでの治療経過と患者様の強いご意向を尊重し、自由診療にてボトックス療法を実施いたしました。
  • 実施内容: 50単位のボツリヌス毒素を、鼻根筋、前頭筋、側頭筋、および大後頭神経領域の計7箇所に分割して投与。
  • 目的: 痛みに関連する神経伝達物質の放出を抑制し、過敏になった神経系の鎮静化を図ります。
  1. 専門医としての展望
    群発頭痛に対するボトックス療法は、内服薬の副作用で増量が難しい方や、既存薬が無効な方にとっての「次の一手」となる可能性を秘めています。
    今回のケースでも、次回の診察時に良好な経過を確認できることを期待しております。
  2. 結びに
    当院では、ガイドラインに基づく標準治療をベースとしつつ、患者様お一人おひとりの辛い経験やご希望を伺いながら、最適な治療の選択肢をご提案しています。現在の治療で思うような結果が出ていない方も、諦めずにご相談ください。
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