コラム

【症例報告】既存薬で改善しない難治性群発頭痛へのボツリヌス療法

「何をしても止まらない痛み」に新しい選択肢を
当院では、一般的な予防薬や頓服薬ではコントロールが困難な「難治性群発頭痛」に対し、自由診療にてボツリヌス療法(ボトックス注射)を行っています。先日、劇的な改善が見られた50代女性の事例をご紹介します。
1. 受診までの経緯:重症化と治療の限界
患者様は50代女性。他施設にてワソラン、リチウム、プレドニンといった標準的な予防療法を受けていましたが、十分な効果が得られませんでした。
  • 発作頻度:1日1〜2回、多い時は6回という激しい群発期に。
  • 切実な悩み:イミグラン自己注射の使用回数制限(1日2回まで)を超えてしまいそうな激痛に襲われ、主治医からも制限を厳守するよう指導され、精神的にも追い詰められた状態でした。
  • 転院の背景:他院での特殊な治療(自由診療)も試みましたが、効果は1日しか持続せず、当院を受診されました。
2. 当院での治療内容
初診時に、これまでの経緯とボトックスへの強いご希望を伺いました。
  • 初日:自由診療にてボトックス注射を施行。あわせて、どうしても我慢できない時のためにイミグラン注射を処方しました。
3. 治療後の経過:投与直後からの劇的な変化
投与からわずか2日後、再診時のご報告は驚くべきものでした。
  • 1日目:群発頭痛特有の予兆(軽い症状)があったものの、カフェイン摂取のみで収まり、イミグラン注射を使わずに済みました。
  • 2日目〜3日目群発頭痛の発作が完全に消失。
「あんなに苦しんでいた痛みが全くない」と、大変喜んでいただくことができました。(イチゴ大福おいしかったです、ご馳走様でした。)

専門医の視点:ボトックスの即効性について
一般的にボトックスの効果発現には数日〜1週間程度かかるとされますが、臨床現場では本事例のように投与直後から発作の閾値が上がり、劇的にQOLが改善するケースが見受けられます。
特に、使用回数制限のあるトリプタン自己注射に頼らざるを得ない患者様にとって、ボトックスは「痛みの恐怖」から解放される強力な一手となり得ます。
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