コラム

【福岡市博多区】群発頭痛とは?その特徴と基本情報

突然、片側の激しい頭痛や目の奥の痛みが起こった場合、群発頭痛の可能性があります。発作が繰り返される「群発期」には睡眠や仕事にも支障をきたし、生活の質が大きく低下してしまいます。この記事では、群発頭痛の症状や経過、治療法、そして発作と向き合うためのポイントをまとめました。群発頭痛について正しく理解していきましょう。

 

群発頭痛とはどんな頭痛?

群発頭痛は、一次性頭痛(原因となる疾患がない頭痛)の一つで、「最も激しい痛みを伴う頭痛」と言われるほど、強烈な痛みを伴うのが特徴です。主に20〜40代の男性に多く見られますが、女性でも発症することがあります。群発頭痛は一定の期間(群発期)に集中して起こるのが特徴で、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

群発頭痛の主な特徴

群発頭痛の特徴は、他の一次性頭痛とは異なる特徴を持っています。

<群発頭痛の特徴>

・一側性(片側)に痛みが起こる
・目の奥をえぐられるような激痛
・汗をかく、涙が出る、鼻水が出るなどの症状を伴う
・1日に1〜数回、同じ時間帯に起こる
・1回の発作は15分〜3時間ほど続く

 

群発頭痛の痛みはどのように感じる?

群発頭痛の痛みは以下のように表現されることがあります。

・片側の目の奥を鋭利なものでえぐられるような痛み
・火箸で刺されたような痛み
・じっとしていられないほどの痛み

群発頭痛を経験した多くの人が、その痛みを「経験したことのないレベルの苦痛」のように表現し、片頭痛とは明らかに異なる痛みであることがわかります。
また、発作中に体を動かしたり、時には頭を壁に打ちつけたくなるほどの衝動を感じることもあるほどだといいます。

 

群発頭痛によって引き起こされる生活への影響

群発頭痛の発作中は痛みが非常に強いため、仕事や勉強に集中できなかったり、寝ている時に目が覚めるなどの苦痛・不快感を伴い、精神的に不安定になることで日常生活にも深刻な支障をきたします。

<群発頭痛による生活への影響>

・睡眠の質が下がる
・発作の時間が近づくと不安や恐怖感が強くなる
・発作があることで外出や予定を控えるようになる
・社会生活や家庭生活への影響


また群発期には、発作がほぼ毎日起こることから、生活の質が著しく低下します。そのため、適切な診断と治療による発作のコントロールがとても重要になります。

 

群発頭痛の経過と発作の特徴

群発頭痛は、「群発期」と呼ばれる特定の期間に集中して発作が起こります。

<群発期の経過と発作の特徴>

・群発期の長さ:1〜2ヶ月程度
・発作の頻度:1日に1〜数回。個人差がありますが、1回〜3回程度が多く見られます。
・発作の持続時間:1回の発作は約15分〜3時間ほど続きます。突然始まり、痛みのピークが非常に鋭いのが特徴です。
・発作の時間帯:深夜〜早朝にかけて起こることが多く、特に眠っている最中に痛みで目が覚めるというケースも多く報告されています。


また、群発期以外に、まったく症状が出ない「寛解期」が数ヶ月〜数年続くことがあります。ただし、時間が経つと再び群発期が訪れる、という周期的なパターンが見られるのも特徴です。

 

群発頭痛の原因は?

なぜ群発頭痛が起こるのかは、はっきりとした原因が解明されていませんが、視床下部という脳の一部の異常が関係していると考えられています。また、アルコール、気圧の変化、喫煙などが引き金になることもあります。

 

群発頭痛の治療と対処法

群発頭痛の治療には、発作を和らげる急性期治療と、群発期の発作回数を減らす予防的治療があります。

急性期の治療

急性期の治療では、できるだけ早く発作の痛みを抑えることが重要です。最も一般的に使用されるのがトリプタン製剤です。トリプタンは脳の血管の拡張を抑え、痛みの信号を伝える神経物質の働きを抑えることで頭痛を緩和します。
群発頭痛では、即効性が求められるため、注射タイプの「スマトリプタン皮下注射」や、点鼻タイプのトリプタン製剤が使用されることもあります。内服薬よりも早く効果を発揮するため、急激に始まる群発頭痛には適しています。

また、医療機関や在宅酸素療法で使用される「高濃度酸素吸入(100%酸素を7L/分以上で15分以上吸入)」も有効です。副作用が少なく、早期に痛みを和らげる方法として推奨されています。

予防的な治療

群発頭痛では、発作の頻度や重症度を減らすために、予防的な治療も行われます。

ベラパミル

狭心症などの心疾患にも用いられるベラパミルなどのカルシウム拮抗薬は、血管の収縮作用を持ち、群発頭痛の発作頻度を減らす目的で使用されます。特に効果が高いとされ、第一選択薬として用いられることもあります。ただし、もともと心臓の動きが悪い方は使用できないことがあるなど、投与の際は医師の判断のもと、副作用の有無を見ながら調整されます。

ステロイド剤

ステロイド剤(短期間の使用)は、発作が頻発する急性期に短期間だけ使用されることがあります。炎症を抑える作用により、発作の頻度を減らす効果が期待されますが、長期使用には副作用のリスクがあるため、医師の管理のもとで慎重に使用されます。

群発頭痛の治療方針は、一人ひとりの症状や体質、発作の頻度や強さなどを踏まえて、医師と相談しながら決められます。
トリプタンや酸素吸入、予防薬の種類や使用タイミング、副作用への対応など、細かな点も含めて専門医と十分に話し合い、自分に合った最適な治療法を見つけましょう。

 

群発頭痛は完治するの?

現時点では、群発頭痛を完治させる治療法は確立されていません。
群発頭痛は「群発期」と「寛解期」があり、発作パターンは個人差が大きく、いつ寛解に至るかを予測するのは困難ですが、治療により発作の頻度や痛みの強さをコントロールすることは可能です。
「治らない」と諦めず、医師と相談しながら根気よく治療をしていきましょう。

 

「群発頭痛かも?」と思ったら

片側だけの激しい頭痛や、目の奥が痛む症状が定期的に繰り返される場合は、自己判断せず、頭痛外来や脳神経外科を受診しましょう。特に、

・初めての強い頭痛
・吐き気や視覚障害を伴う
・意識障害がある

などの症状がある場合は、すぐに医療機関での診察をおすすめします。

 

群発頭痛は「我慢せず」専門医に相談を

群発頭痛は、非常に強い痛みを伴い、日常生活に大きな支障をもたらす頭痛です。「たかが頭痛」と思わず、適切な診断と治療を受けることが、快適な生活への第一歩となります。
発作が疑われる場合は、早めに専門医を受診し、痛みを軽減する方法や予防策を取り入れていきましょう。

 

福岡市博多区にある「あきらめない頭痛クリニック」

千代県庁口駅から徒歩3分。福岡県福岡市博多区にある、あきらめない頭痛クリニックは頭痛に特化した診療を行っております。

診療のモットーは「一人ひとりのために」。
当院はあらゆる頭痛に対して多角的に原因追究を行い、根本から頭痛を治療することをめざすクリニックです。年齢を問わず、広く頭痛治療に取り組み、個々の頭痛に合わせたオーダーメイドの治療を提供しております。
「より良い有意義な人生を送っていただくための治療を絶対に諦めない」という思いをクリニック名に掲げ、多くの方に貢献できたらと思っています。
頭痛に関するお悩みは、些細なことでもお気軽にご相談ください。


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