コラム

貨幣状頭痛

幣状頭痛の診断基準(その他の一次性頭痛)

1)くっきりとした輪郭

2)大きさと形は一定

3)円形、楕円形

4)直径は1-6センチ

 1)単発、多発がある(単発が多い)

2)痛みは軽度から重度まで様々

3)持続時間も数秒、数分、数時間、数日まで多様

4)患部の感覚鈍麻、異常感覚もでる

円形あるいは楕円形で直径 1~6 cm の境界明瞭な部位に頭痛を認めることを特徴とする。有病率は人口 10 万あたり 6~9 名と推定されている
6.7 年の経過観察で 48.2%の症例では疾患活動性がなくなっていたことから、貨幣状頭痛は予後が悪くない疾患と考えられた。
予防療法が必要だった症例は 2/3 に相当し、80%では治療反応性が得られていた。また、 本研究の結果から 貨幣状頭痛は片頭痛と誤診されている症例が少なからず存在することが示唆された
患者の平均年齢は 47.4 ± 18.0 (平均 ± SD )歳で、63.7%は女性であっ た。
診断時年齢の中央値は 49 歳であり、診断されるまでの病期の中央値は 10 ヶ月であった。
なお、49.2%の症例は片頭痛、27.1%の症例では一過性表在性頭痛の診断を受けていた。
67.9%は慢性貨幣状頭痛であり、1 ヵ月あたり の頭痛日数の中央値は 20 日であった。94.0%の患者が 1 ヵ月あたり 4 日以上頭痛を認めていた。
頭痛の性状としては圧迫性が主体 (55.4%)で、中等度の頭痛強度 (VRS 6)で、頭頂部に認めることが最も多かった (39.3%)。
頭痛増悪時は穿刺様の疼痛が最も多く訴えられていた。典型的には頭痛部位は円形の形状で約 4 cm であった。随伴症状を認める頻度は低かった。アロディニアは 37.5%、痛覚過敏は 34.5%にそれぞれ認められた。
治療を要する症例は 66.7%であり、使用された治療薬の 40.2%は NSAIDs、33.0%がアセトアミノフェンであ った。しかし半数程度は部分的な反応しか得られていなかった。予防薬は 66.7%の症例で必要であったが、約半数 は 1 剤のみが用いられていた。
予防薬としては、ガバペンチンが 61.6%で、A 型ボツリヌス毒素が 33.9%でそれ ぞれぞれ用いられていた。
予防薬が処方された症例の約半数では最適な反応が、81.3%では十分な反応性が得られて いた。経過観察開始時で活動性 貨幣状頭痛を認めていた患者 111 名の中で 10 名は予防薬による治療反応性が認められ ず、11 名では治療に対する忍容性に問題があった。
そのような患者 21 名の中で、4 名では改善は一時的に得られても持続しない状況が中央値で 91 ヵ月にわたって持続し、経過観察終了時点でも 11 名患者は疾患活動性が持続 していた。全体的には、経過観察終了時点 (中央値: 6.7 年)で 48.2%の症例は疾患活動性を認めなかった (6 ヵ 月を超えて頭痛なし)。
6.7 年の経過観察で 48.2%の症例では疾患活動性がなくなっていたことから、貨幣状頭痛は予後が悪くない疾患と考えられた。
予防療法が必要だった症例は 2/3 に相当し、80%では治療反応性が得られていた。また、 本研究の結果から 貨幣状頭痛は片頭痛と誤診されている症例が少なからず存在することが示唆された。貨幣状頭痛の治療は鎮痛剤、ガバペンチン、三環系抗うつ薬、ノイロトロピン、ボツリヌス毒素など

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