
お知らせ
【症例紹介】夜中に激痛で目が覚める…「片頭痛」と「睡眠時頭痛」が同時に起きていた50代女性の治療例
こんにちは。頭痛専門医の田村です。
当院を受診され、適切な治療によって日常生活の苦痛が大きく改善した患者さんの事例をご紹介します。
「毎年のようにこの季節になると頭痛がひどくなる」「夜中に頭痛で目が覚めて眠れない」とお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。
- 受診時のご相談:10代からの片頭痛が、5〜6月に急激に悪化
- 患者様:50代 女性
- お悩みの症状:
- 10代の頃から頭痛持ちだったが、今年は5〜6月にかけて特に悪化。
- 週に2〜3回、頭がズキズキと激しく脈打つように痛み、痛みの強さは「人生最大の痛み(10点満点中10点)」に達することも。
- 頭痛が起きると横にならざるを得ず、吐き気や嘔吐、光・音・臭いへの過敏症状、めまい、強い倦怠感、さらには涙や鼻水が出ることもありました。
- 時々、目の前がチカチカする光(閃輝暗点:せんきあんてん)が見える前兆もありました。
- 気圧の変動(低気圧など)で頭痛が誘発されるのも特徴です。
- もう一つの深刻な悩み:夜中に頭痛で目が覚める(アラームクロック頭痛)
今回の患者様で特に辛かったのは、「夜中にも激しいズキズキとした頭痛で目が覚めてしまう」という点でした。
痛みのたびに市販の痛み止めを飲んで無理やり眠る、という苦しい夜をしばしば過ごされていました。
- 専門医による診断:2つの頭痛の「併存」
詳しくお話を伺い、当院では以下の2つの頭痛が同時に起きている(併存している)と診断しました。
- 前兆のある片頭痛 + 前兆のない片頭痛
- 睡眠時頭痛(通称:アラームクロック頭痛)
夜中に決まったように頭痛で目が覚める症状は、高齢期(50歳以降)に比較的多く見られる「睡眠時頭痛」の特徴です。長年の片頭痛に加えて、この睡眠時頭痛が重なったことで、日常生活への支障度(HIT-6という国際的な指標)は「78点」と非常に深刻な状態(すぐに治療が必要なレベル)に達していました。
- 当院での治療経過:予防薬の組み合わせで劇的な改善へ
患者様の生活の質を守るため、すぐに「頭痛を起こりにくくする予防治療」を開始しました。
- 片頭痛の予防:治療薬Aを開始
- 睡眠時頭痛の予防:治療薬Bを開始
- 発作時の対応:エレトリプタン(トリプタン製剤)を処方
【経過と今後の見通し】
治療を開始したところ、1回目の再診時で頭痛の支障度(HIT-6)は78点から58点へと劇的に軽減し、日常生活が大幅に楽になりました。
なお、発作薬のエレトリプタンを服用した際に「体に締め付け感(胸や喉の圧迫感など)」というトリプタン特有の副作用が見られたため、今後は発作薬の変更を検討しています。
また、片頭痛の予防については、現在の内服治療治療薬Aの経過を見ながら、今後は治療薬Cへの変更や、最新の「抗CGRP抗体注射薬」の導入も視野に入れ、さらに頭痛のない日を増やしていく計画です










